
はじめまして。このブログを始めた理由
はじめまして。
「おいしいおくち」というフリーランス歯科衛生士として、訪問歯科の現場で摂食・嚥下支援を専門に行っています。
歯科衛生士として25年以上、その中で出会ってきた患者さんやご家族の姿が、今の私の原点です。
胃ろうだった方が口から食べられるようになった日、娘さんが涙を流して喜んでくださったあの瞬間——「食べることは、生きること」という言葉の重さを、現場で何度も教えてもらってきました。
ご自宅や介護施設を訪問しながら、「食べること」が難しくなった方たちと毎日向き合っています。
なぜ摂食嚥下のサポートを始めようと思ったのか
きっかけは一人のおばあちゃん
胃ろうだったその方が、口から食べられるようになったんです。
今でもその方のことを思い出すと、胸があたたかくなります。
脳梗塞の後遺症で口から食べることができなくなり、胃ろう(おなかに穴をあけてチューブで栄養をとる方法)で過ごされていた女性。ある施設に入居されたタイミングで、私に依頼がありました。
最初に娘さんからお話を聞いたとき、こう言われたんです。
「口から食べられるようになれたら……と思って」
どれだけの想いを込めて、その言葉を言ってくれたんだろう。 私もぎゅっと胸が締め付けられました。
さっそくご本人に会いに行ったら——正直、驚きました。
「あれ?思っていた感じと全然違う!めちゃくちゃよくしゃべられる!」
胃ろうと聞いて、もっと元気のない方を想像していたんです。 でも目の前にいたのは、こちらの話にもよく反応してくださる方でした。
嚥下の評価をしてみても、飲み込みの機能がまだ残っている部分が多い。
「これは、いけるかもしれない!✨」
胸の中で、ぱっと明かりがついた感じがしました。
そこから、焦らず、でも着実に。 安全に段階を踏んで、口からの食事を始めました。
そして——
3食すべてを、口から食べられるように。
もちろん3食食べるようになるまでには平坦ではありません。
朝ごはん、昼ごはん、夕ごはんがある。 当たり前のようで、このおばあちゃんにとっては、取り戻した「普通の一日」でした。
そんなある日、食事のあとにぽつりと言ってくれたんです。
「おいしい」
……もう、それだけで十分でした。 どれだけの時間を経て、その「おいしい」が戻ってきたのか。 その言葉の重さを思うと、私もじわっと目が熱くなって。 今でも、ふとしたときに思い出す、大切な瞬間です。
しばらくして、娘さんが嬉しそうに話してくれました。
「毎日、今日はどのおやつを持っていこうかって考えるのが楽しみになったんです」
胃ろうだった頃にはなかった時間。 何を食べてほしいか、どれが喜ばれるか——娘さんの毎日にも、小さくて温かい楽しみが生まれていました。
食べることって、栄養をとることだけじゃない。 それはご本人だけでなく、そばにいる家族の日々にも、そっと彩りを添えてくれるものなんだと——
このおばあちゃんと娘さんが、教えてくれました。
「嚥下障害」は、突然やってくる
私がこの仕事を通じて感じるのは、嚥下障害(飲み込みの障害)は、ある日突然、身近な人に起こりうるということです。
脳卒中、パーキンソン病、認知症、老化による筋力低下…… 原因はさまざまですが、「まさかうちの家族が」と驚く方がほとんどです。
でも、早く気づくほど、できることは増えます。
施設で働くスタッフの方も、在宅でご家族を介護されている方も、 ほんの少しのサインを知っているだけで、大切な人を守れることがあります。
このブログでお伝えしたいこと
このブログでは、難しい医療用語はなるべく使わずに、 私が現場で見てきたこと・感じたこと・学んだことを等身大でお話ししていきます。
こんな方のお役に立てます
- 「最近むせることが増えた」と家族のことが心配な方
- 在宅介護の中で、食事のことで悩んでいるご家族
- 介護施設・病院で利用者さんの食事支援に関わるスタッフの方
- ケアマネージャーや医療職の方で、嚥下支援の専門家と連携したい方
そんな方たちにとって、ちょっとしたヒント💡や安心になれたらと思っています。
最後に
胃ろうだけで栄養をとっていたおばあちゃんが、3食口から食べられるようになったとき、娘さんが涙を流して喜んでくださいました。
「まさかここまでできるとは思っていなかった」
その言葉と、その日の笑顔は、今でも私の大切な宝物です。
「食べることは、生きること」
これがこのブログのテーマです。 一緒に、考えていきましょう。
資格・所属
- 歯科衛生士(経験25年以上)
- 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会認定士
- DHP嚥下トレーナー認定士
- 調舌トレーナー
- デンタルリメディアルセラピスト
難しい専門用語を使わず、現場の経験をもとに「わかりやすく・寄り添う」をモットーに活動しています。
ご相談・お問い合わせ
「うちの親、大丈夫かな?」という小さな不安から、施設・医療機関からの専門的なご相談まで、どうぞお気軽にご連絡ください。
読んでくださった方へ: 最近、食事中によくむせる」「飲み込みが心配」——そんなことが気になり始めたら、一人で抱え込まないでください。
嚥下支援について、まずは気軽にご相談ください。 オンラインでのご相談も対応しています。
🌿さち(おいしいおくち/歯科衛生士・摂食嚥下専門)

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